2011年08月05日
中国・台湾の銘茶とチャイニーズディナーのコラボレーション(1)

中国茶道陸羽(りくう)の会 代表 赤嶺文弥乃(あかみねあやの)先生と、沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザの中国料理桃翠が企画する
中国・台湾の銘茶とチャイニーズディナーのコラボレーション
というイベントがありました。
赤嶺先生だからこそ提供できる極上のお茶と、桃翠のセンス良い創作中国料理とあらば、何を差し置いてでも行く価値はあり!
お茶にお料理に舌鼓を打った至福のひと時を取材してきましたので、その様子をどうぞご覧ください。

日時:2011年07月24日(日)
午後05時~午後07時30分
会場:沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザ 地下1階 中国料理 桃翠
美容と健康をテーマに大好評の中国茶会。
厳選された高級銘茶を取り揃え、その中でも大変貴重で入手が困難な黄茶『君山銀針』(くんざんぎんしん)が今回初登場です。
そして料理長自慢の美肌効果を織り込んだヘルシーかつ味わい深い採譜(メニュー)。
優雅で香り高き中国茶と医食同源のスペシャルディナーのコラボレーションです。

中央:赤嶺文弥乃(あかみねあやの)先生。
中国茶道陸羽(りくう)の会 代表 。
中国政府認定 茶文化博士。
中国茶茶芸師。
右:野原雅和氏。
中国料理 桃翠 料理長。

目玉はなんと言っても中国茶の君山銀針。
中国湖南省北部にある洞庭湖の中にある君山島で採れる茶葉で、年間の生産量が300Kgと少ないのでたいへん貴重なお茶です。
生産量の少なさゆえ市場に出回るほとんどが偽物と言われており、生産地に行ったからと言って手軽に入手できるような物ではありません。
赤嶺先生が本物を提供できるのも、中国政府と懇意にされている棚橋先生のルート確保があるからこそ。
私たち沖縄に住む中国茶ファンが本物で良質のお茶をいただけるのも、赤嶺・棚橋 両先生のおかげなのです。とてもありがたいことですね。

君山銀針は黄茶に分類されます。
加熱することでいっさい発酵させずに作るのが緑茶。
黄茶は、茶葉の持つ酵素で発酵させたら、ポリフェノールを中心とする成分が非酵素的に酸化する悶黄と呼ばれる独特の熟成工程を経て作られます。
その工程で緑から透明及び黄色へと変色し、これにより茶葉と水色がうっすらとした黄色であるために黄茶と呼ばれるそうです。

抽出後の君山銀針。
ふっくらと元に戻った茶葉を見ると、君山島で青々と茂るお茶畑が目に浮かびます。
形や大きさが揃っており、丁寧な手仕事であることもわかりますね。
唐代に盛んに生産され、清の時代には皇帝への献上品となった銘茶です。
気になるお味は、渋や苦味は無く、すっきりと清雅。
際立った個性があるというわけではありませんが、どことなくフルーティな甘みがあり、まろやかで上品です。

青茶:鳳凰単叢群体香(ほうおうたんそうぐんたいこう)。
生産地:中国広東省 潮州市鳳凰山。
樹によって茶葉の持つ香りが違うため、1本の樹の茶葉で作るという意味で香りの特徴から名前が付けられる。

さてこの群体香。どのような香りがするかというと・・・
なんと桃の香りがします!
まぎれもなくお茶なのに、なぜ桃の香りがするのか本当に不思議。
世の中にはわざわざ香料を付けるフレーバーティーがある中、お茶自ら桃の香りを発するなんて。
青茶のせいかお茶自体も大変力強く、コクがありながら優しく甘い香りのする、女性受けしそうなお茶です。
そしていよいよお食事の登場。
野原料理長の採譜に、赤嶺先生が最適なお茶をセレクトされています。
お料理の邪魔をせず美味しさを最大限に引き立て、かつお茶自体が料理の影に隠れることなく存在を主張する。
そんなお茶とお料理がお互いを引き立て合うのも、赤嶺先生と野原料理長というプロ中のプロの成せる技でしょう。

夏彩精選碟 シェフお薦め夏のアミューズ
もずくやジーマミー豆腐(トマトの上)などを使い、中国料理だけれども県産品も積極的に使われています。
アミューズはちょこちょこと何種類も出てくるのが女性には嬉しい。

緑茶:洞庭湖碧螺春(どうていこへきらしゅん)特級 2011年春茶。
生産地:中国江蘇省。
中国三大緑茶のひとつ。蘇州の南西40キロにある太湖のほとりの洞庭山で採れた物。
3月下旬~4月中旬、芽が1,2センチになると一芽一葉を摘み取る。
白い産毛がまぶしい。

さすがは中国三大緑茶。
白い産毛の若々しい新芽の持つ清廉としたうま味。嫌味の無い奥深さ。
緑茶よりも青茶の方が好きな私もこれは本当に美味しいと思います。
いや、まいりました。

青茶:四季春茶(しきはるちゃ) 2011年春一番茶 手摘み。
生産地:台湾。
通常は機械作業で摘まれることが多いが、希少な手摘みで作られた今年の春一番摘みのお茶。
香りが素晴らしく、クチナシの花のような清香と甘い後味がある。

行きつけのお茶専門店カメリア・シネンシスで私がわりと頻繁に注文するお茶です。
青茶とは烏龍茶のことですが、某社でお馴染みの烏龍茶に慣れている人にはかなりの衝撃的なお茶でしょう。
水色はレモンイエロー。
聞香杯で香りを嗅いでみるとクチナシのようなお花の香りがします。
時間が経つにつれその香りはより濃厚となり、ココナッツのような甘い芳香を放ちます。
香りに負けず劣らずお味はまろやか。
自然の持つ力強さと花のような甘さを併せ持つ非常にバランスの取れた美味しい四季春茶です。

樟茶鴨包餅 スモークダックのクレープ包み。
ほんのり香るのはお茶で燻製にしたダック。
ダックそのものが十分美味なので、余計なソースは付けずにシンプルに2種類のお塩でいただきます。

乾焼皇双鮮 手長海老と帆立貝のチリソース。
沖縄でも手長海老が採れるようだけどこれも県産品でしょうか。
プリプリでかなり甘みの強い美味しい海老でした。
チリソースも絶品で、お皿を舐めたくなるほど。
にんじんで出来た飾りのシーサーが可愛いでショ。

黒茶:普洱生茶(ぷーあるなまちゃ)5年物。
生産地:中国雲南省。
西双版納(しーさんぱんな)の産地で生産され、市場に多く出ている熟茶と違い、カビ臭さが少なく、まろやかな甘みがバランスよく含まれている。

プーアル茶は烏龍茶と並んで我々日本人にも馴染みのあるお茶となりました。
一時はダイエットに効果があるともてはやされましたが、煎じた時のなんともいえない匂いに眉をしかめた方も多いはず。
粗悪なものはただ単にかび臭く、美味しいとはお世辞にも言えません。
しかしながら本当に品質の良いプーアル茶はコクがあってまろやかで、かび臭さはほとんど感じません。
粗悪品が横行しているがゆえ、本来の美味しさをぜひ知って欲しいお茶です。
次の記事→2011年08月06日『中国・台湾の銘茶とチャイニーズディナーのコラボレーション(2)』
参考記事→2011年05月04日『特別中国茶会 唐時代の宮廷茶道再現 【レポート編】』

中国料理 桃翠
http://www.anacpokinawa.com/restaurant/tosui/
Posted by りえぴゃん at 03:26
│赤嶺先生主催イベント