2012年02月16日『
新春の茶会(2)』の続き。
洋煎焼島猪
あぐー豚の中華風ステーキ。
あぐー自体にうま味が十分あって力強いので、濃い目のソースにも負けていません。
質のいい素材はどんな風に調理してもちゃんと答えてくれますよね。
黒茶:プーアル生茶。
生産地:中国雲南省。
2007年に製造された春茶の新芽の多いもの。
プーアル茶は緑茶に菌が付着して、独特の香りと風味を持つお茶です。
残念なことに、日本では粗悪なプーアル茶がダイエットブームの折に広く知れ渡り、あまりいいイメージがありません。
それはあの独特の匂い。
しかしながら質の良いプーアル茶は香りが良く甘いものです。
お肉料理にはかなり合いますね。
西施彩鮑魚
鮑の柔らか蒸し煮 美のコラーゲン翡翠ソース。
鮑も立派ですが、このソースがキラキラ輝いて綺麗なこと!
柔らかく蒸された鮑を美のコラーゲンソースと共にいただきます。
コラーゲンと聞いて淑女のみなさんのスプーンが止まらない。
青茶(烏龍茶):梨山(りざん)。
生産地:台湾。
とにもかくにも華やか!
お湯を注いだ途端に花の香りがふわーっと鼻腔をくすぐります。
なんと洗練されて気高いことか。
香りに負けずお味も濃厚で、一度飲めばその鮮烈な印象に度肝を抜かれるでしょう。
台湾を代表する名茶。
枸杞蒸粽
クコの実と金針菜入りおこわ。
真ん中とその右にある緑色をしたものが金針菜。
ユリ科の植物のつぼみだそうで、中国料理の高級食材なのだそうです。
アスパラガスのような食感で、クセが無いのでどんな料理にも合いそうです。
おこわは美味しいスープでしっとりと炊きあげており、銀杏やピーナッツがいいアクセント。
紅茶:雲南紅茶てん紅(うんなんこうちゃてんこう)。
生産地:中国雲南省。
私の好きな紅茶のひとつ。
お湯を注ぐ前の茶葉は、チョコレートのような甘い香りがします。
お砂糖を入れているわけでもないのに、その後味は紅茶の中でもかなり甘い。
焦がしたキャラメルのような風味も感じられ、女性向きのお茶ですね。
清蒸汽鍋湯
干し貝柱と根菜の薬膳蒸しスープ。
店員さんがサーブする前から漂うのは食欲を刺激するなんともいえない香り。
いろんなエキスが複雑に絡み合い、奥深くかつ味わい深いスープです。
干し貝柱のパワーってすごい。
美麗甜点心
チャイナスイーツ。
中国料理ってスイーツも絶品。
特に八重山産黒米と蓮餡の春巻きはかなり気に入りました。
愛玉(あいぎょく)ゼリー。
ぷるんとした食感が喉に心地いい。
翡翠名物安納芋蒸しカステラ。
最近よくスーパーでも見かける安納芋。
甘みが強いのでスイーツにはもってこいですね。
ぷるぷる杏仁豆腐。
ユーモラスなお顔が可愛い。
黄色いのはマンゴーソースかな。
八重山産黒米と蓮餡の春巻き。
黒米をスイーツに使っちゃうなんて、あまり馴染みの無い使い方ですね。
蓮餡もそうだけど、中国料理はありとあらゆる食材を上手に使いこなすので、驚かされることがとても多いです。
蓮餡おいしいなぁ。
青茶(烏龍茶):東方美人(とうほうびじん)。
生産地:台湾。
新芽の多いこと!
発酵度が高いので長年紅茶と思い込んでいた私ですが、本当は烏龍茶に区別されるお茶。
とても有名な名茶なので、お茶ファンではなくても一度は名前を耳にしたことがあるかもしれません。
ウンカという害虫が新芽を食べることにより、茶葉の代謝が起こり、結果フルーティーな香りを生むという偶然の産物から出来たお茶です。
お茶の総数13種類、それに加えて桃翠さんのお料理が8品。
これが東京だったらどんな金額になるか・・・と思うと、この日お集まりいただいた皆様はなんとラッキーなことでしょう。
中国茶自体が初めての方も何人かいらっしゃったのですが、きっとその日からお茶に関しての見方がガラッと変わったかもしれません。
いやもうほんと、根底から覆されるほどの衝撃を受けていましたよ。お隣に座っていらっしゃった方。
数年前の私と同じリアクションだったので、そのお気持ちよくわかります。
中国料理と中国茶。
それぞれ独立したお店は日本中にたくさんあると思いますが、お料理に合わせてお茶を振舞うサービスなんて、料理店とお茶の先生がタッグを組まないとなかなかできることではありません。
それもこれもお茶に精通した赤嶺先生と、県内の中国料理界をアグレッシブに牽引する桃翠さんがいらっしゃるおかげ。
ぜひ後進の方々が続いて行ってほしいものです。
赤嶺先生、桃翠さん、ありがとうございました。
前の記事→2012年02月16日『
新春の茶会(2)』
参考記事→2011年08月05日『
中国・台湾の銘茶とチャイニーズディナーのコラボレーション(1)』
沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザ
中国料理 桃翠
http://www.anacpokinawa.com/restaurant/tosui/