すでに7月も半ばを過ぎた夏真っ盛りの午後。
いつも素敵なお茶会を開催してくれる我が茶々会会長のお宅で、茶梅会が開かれました。
茶梅とは、青梅・氷砂糖・茶葉(主に烏龍茶)を漬け込んだもので、台湾や中国の茶館では非常にポピュラーなお茶請けです。
日本では青梅を使うのは梅酒や梅シロップくらいだろうけど、お茶で梅を漬けるなんてさすがはお茶大国だけのことはありますね。
茶梅のお味は青梅の持つ爽やかでほのかな酸味に氷砂糖の甘み、これにまろやかなお茶の風味が加わります。
上の画像の茶梅は、お茶専門店
カメリア・シネンシスの物。(2009年撮影)
中国茶か台湾茶をオーダーすると、ミニお茶請けとして付いてくる場合があります。(季節物なので無い場合も)
▲琉球紅茶 サンセットティー
朝からじりじりと陽の照りつける日なので、まずはサンセットティーをアイスで。
琉球紅茶には、クリームダウン(濁り)のしにくい色鮮やかなアイス用サンセットティーがあるので便利です。
▲ずらっと並んだ茶梅。
お茶の種類ごとに7種類の茶梅を漬けてくれました。
これらは漬けて1ヶ月くらい。
▲玉緑茶(たまりょくちゃ)で漬けた茶梅
お茶自体が緑茶なので、茶梅もとても優しくてマイルドな仕上がりになりました。
もう少しお茶の個性が出てもいいかな。
普通は烏龍茶で作るというのも納得です。
▲梨山茶(冬焙煎)で漬けた茶梅
台湾の高山茶である梨山茶は烏龍茶に分類されます。
とても香りの華やかな高級茶なので、わざわざ茶梅に使用することはあまりないのでしょう。
もともと茶葉が高品質なこともあり、ほのかに香り立ついい茶梅になりました。
▲阿里山金萱で漬けた茶梅
同じく台湾の高山茶である阿里山茶の金萱。
ミルクのような甘い芳香が特徴の烏龍茶で私も大好きなのですが、茶梅になると金萱の個性がそれほど際立つというほどの物でもなかったように思えました。
可もなく不可もなく。今風に表現すると普通に美味しいというところです。
▲鉄観音で漬けた茶梅
▲これが一番上出来でした。すこぶる美味しい!
鉄観音と言えば烏龍茶の代表的なもので、上質なものはもちろん美味しいのですが、どちらかというとオーソドックスで普段は私はあまり飲むことがありません。
ところが茶梅にした時の美味しさといったら。
正直ここまで美味しくなるとは、茶々会参加者の誰もが思っていなかったことかと思います。
お茶と梅のどちらのいいとこ取りとでも言いましょうか。
梅の持つ青々とした果実さ・甘み・酸味を、お茶の風味が最大限に引き出し、その上優しくまろやかに包み、なおかつお茶の主張もちゃんとあります。
これはぜひ来年のシーズンに私も漬けてみなきゃ。
▲薔薇まつりで漬けた茶梅
他のお茶とは違い、薔薇の蕾入りの烏龍茶です。
これは花茶というものに分類され、他にも乾燥のライチとかマンゴー入りなどもあるそうです。
薔薇の香りがするので、ちょっと風味の変わった茶梅を漬けるにはいいかも。
▲阿里山茶で漬けた茶梅
金萱という品種ではなく、一般的な阿里山茶です。
金萱以外の阿里山茶を飲んだことがないので、茶梅にするとこんなものかな。
これといったお茶の個性はないのですが、ごく一般的な茶梅といったところでしょうか。
▲凍頂烏龍茶で漬けた茶梅
これはわりといい感じ。
正直、鉄観音の後はみんな印象が霞んじゃったくらいなのですが、これはキリッと目を覚まさせてくれた気がします。
お茶の種類だけを見ていると、なんとなく梨山茶で漬けた梅が一番美味しそうだと想像していたのですが、あにはからんや、まさか鉄観音とは。
けっこうお茶を嗜んでいらっしゃる方には、鉄観音がお好みかと思います。
玄人向けかもしれません。
琉球紅茶 サンセットティー
1杯目はアイスでいただいたので、今度はホットで。
サンセットティーはスリランカ産と沖縄産のブレンドですが、常に一定のクオリティを保つのは、ティーブレンダーでもある内田先生の卓越した腕の見せ所なのです。
遠慮せずに毎日がぶがぶ飲めるので、コストパフォーマンスにも優れています。
▲軽い昼食
お茶は台湾の蜜香緑茶。
▲炊き込みご飯の笹の葉巻き、湯葉の寒天寄せ、海苔入りの卵焼き、ちりめん山椒
▲かきたまのおすまし
中国の大紅袍
福建省で採れる武夷岩茶のひとつ。
▲お茶菓子いろいろ
・
辛子めんたい風味 めんべい
・カステラ
・サクサクサブレ
▲阿里山茶で漬けたシロップのゼリー
▲漬け汁のシロップもとても美味しい。
梅シロップ(青梅と氷砂糖だけで作る)は逆にエキスが出すぎるのでしょうか、梅自体はしわしわになって食べられないのですが、茶梅だと梅もシロップも美味しくて無駄がないですね。
これってちょっとお酢を足してドレッシングにもいいかも。
茶梅はたいてい烏龍茶で漬けるのが主流ですが、今回7種類の試食をしてみて、想像を裏切る嬉しい驚きがありました。
この分だと紅茶もいけるのじゃないかしら?
たとえばインドのアッサムとか、中国のキーマンでも面白いのが出来るかもしれません。
今年は私も烏龍茶をはじめ、紅茶、ほうじ茶など色々漬けてみたいものです。
いつにもまして楽しい企画の茶梅会でした。